西中島小・木川南小の統合で、通学路や跡地はどうなる?
近所の小学校で「統合するらしい」という話を耳にして、何がどこまで決まっているのか気になっている方もいるのではないでしょうか。淀川区では現在、西中島小学校と木川南小学校を、木川小学校の校地に統合する学校再編が進んでいます。
『ヨドガワウォッチ』のエリア担当ライター、浜崎鍼灸整骨院院長の浜崎洋です。わたしが住む十三東は、今回の再編に関係する木川・木川南エリアのすぐ近くです。実はこの学校統廃合の問題、わたしにとって今回が初めてではありません。
町会長や小学校のPTA役員を務めていた時期には、十三小学校そのものが廃校・統合案の当事者になったことがあり、地域側として対応にあたっていました。当時は学校がなくなるかもしれないという話を、かなり身近な問題として受け止めていたのを覚えています。
今回は、そうした過去の経緯も少し振り返りながら、現在の淀川区の学校再編について、すでに決まっていることと、まだ検討中のことを分けて見ていきます。
学校統合が検討される背景
大阪市では「大阪市立学校活性化条例」などに基づき、学校配置の適正化を進めています。小学校については、12~24学級を適正規模とし、これを下回る学校について、児童数や学級数の今後の見込みなどを踏まえて学校再編を検討する仕組みになっています。
ただ、単純に「児童数が少ない学校だからなくす」という話ではありません。クラス替えができる規模を確保できるか、教育環境をどう維持するか、通学距離や地域との関係をどうするかなど、複数の条件を踏まえたうえで判断されています。
現在の対象は西中島小と木川南小
淀川区では令和7年5月1日時点で、西中島小学校が複式学級を有する「区分1」、木川南小学校が児童数120人未満などに該当する「区分2」とされています。
この2校が現在の学校配置の適正化の対象校です。そして隣接する木川小学校を存続校として、西中島小学校と木川南小学校を木川小学校の校地に統合する計画が進められています。
ここは少し分かりにくいところなのですが、木川小学校そのものが「廃校になる対象校」というわけではありません。西中島小・木川南小とあわせて学校再編に関係する3校として、協議が進められている段階です。
実は十三小学校も廃校案の当事者だった
現在の再編だけを見ると西中島・木川南・木川の3校の話に見えますが、淀川区では以前、十三小学校も統廃合の当事者になっていました。ちなみに十三小学校は今年100周年の節目を迎えていて、十三小学校100周年「今とむかし展」という記念企画も行われていましたが、そんな十三小学校にも、かつて廃校の可能性があった時期があります。
平成25年(2013年)2月、淀川区役所は学校統廃合について、いわゆる「ABC案」と呼ばれる具体的な検討案を示しています。
A案
十三小学校を廃校して木川小学校へ統合。西中島小学校を廃校して木川南小学校へ統合。
B案
十三小学校を廃校して木川南小学校へ統合。西中島小学校を廃校して木川小学校へ統合。
C案
十三小学校と西中島小学校を廃校し、それぞれの校区を阪急京都線の北側・南側に分け、木川小学校と木川南小学校へ統合。
つまり当時は、A・B・Cのどの案になっても十三小学校がなくなる可能性があるという、かなり具体的な内容でした。
わたし自身、この時期は町会長や小学校のPTA役員として地域活動に関わっており、まさに当事者側でこの問題に向き合っていました。学校は子どもが通う場所であるだけでなく、地域行事や防災、住民同士のつながりの中心でもあります。実際にその立場に立ってみると、「学校を一つにまとめる」という数字だけでは割り切れない問題だと感じたものです。
その後、このABC案は令和2年(2020年)8月に白紙撤回されました。十三小学校については児童数が今後7学級以上になることが見込まれるなどの事情から、現在進められている学校再編の対象からは外れています。
十数年前には廃校案の当事者だった十三小学校が、現在の再編対象には入っていない。この経緯を見るだけでも、学校再編は一度案が出ればそのまま決まるものではなく、児童数の変化や地域事情によって内容が変わっていくことが分かります。
現在の再編はすでに大枠が決定
現在進められている木川小学校・西中島小学校・木川南小学校の再編については、単なる検討案の段階ではありません。
対象地域で住民説明会を重ねたあと、区長が「学校再編整備計画」を作成し、令和4年12月13日の大阪市教育委員会会議で議決されています。
西中島小学校と木川南小学校を木川小学校の校地に統合する、という大枠はすでに決まっています。
一方で、学校名や校章、校歌、標準服など、統合後の学校生活に関わる具体的な内容については、学校適正配置検討会議で協議が続いています。
検討開始から決定までの流れ
今回の再編では、学校配置の適正化に向けた住民説明会が、西中島・木川南・木川の3地域で合計9回開催されています。
そこで出された地域住民や保護者からの意見も踏まえて学校再編整備計画が作成され、令和4年12月13日に教育委員会会議で議決されました。ここまでの流れを整理すると、こんな順番になります。
対象地域で説明会が開かれ、住民や保護者から質問や意見を聞きます。
住民説明会などで出された意見を踏まえ、区長が学校再編整備計画を作成します。
教育委員会会議で議決され、正式な学校再編整備計画になります。
学校名や校章、校歌、標準服、通学路など、統合に向けた具体的な内容を検討します。
統合予定は令和10年4月
現在の公式資料では、西中島小学校と木川南小学校を木川小学校の校地に統合する時期は、令和10年(2028年)4月予定とされています。
木川小学校では統合後の児童を受け入れるため、校舎などの増改築が予定されています。令和7年に公表された資料では、工事着工を令和7年12月、工事完了を令和10年2月とするスケジュールが示されています。
学校再編は建物の整備などとも関係するため、今後変更が生じる可能性はあります。進学時期に関係する家庭では、その都度、最新の公式情報を確認してもらえたらと思います。
通学区域も変わる
統合が実施されれば、西中島小学校と木川南小学校の児童は、現在の木川小学校の校地へ通うことになります。
現在の計画に伴う指定校変更・区域外就学についても、淀川区役所の教育支援担当で相談を受け付けています。就学先について個別の事情がある場合は、一般的な情報だけで判断せず、区役所へ相談する方が確実です。
通学路の安全対策も進んでいる
統合によって、これまでより通学距離が延びる児童も出てきます。そのため検討会議では、現在の通学路と統合後の通学路を照らし合わせ、危険箇所の合同点検などが行われてきました。
令和6年9月までに統合後の通学路案は策定され、区役所・警察・道路管理者などが安全対策を検討、実施していくことになっています。
わたしも町会の活動で、子どもたちの通学路を実際に歩いて危険箇所を確認した経験があります。地図では何でもない交差点に見えても、現地へ行くと車から子どもが見えにくかったり、歩道が狭かったりする場所があるものです。
学校再編では「どこの学校へ行くか」だけでなく、毎日そこまで安全に通えるのかという視点も、同じくらい大事だと思っています。
学校は地域防災やコミュニティの拠点でもある
小学校には教育施設という役割だけでなく、災害時の避難所や地域活動の拠点という面があります。
そのため、西中島小学校と木川南小学校については、統合後に学校として使われなくなった校地をどう活用するかについて、それぞれ校地活用の検討が進められています。
- 地域コミュニティ機能
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町会活動や地域の集まりなどに使える機能を維持する方向で検討されています。
- 防災拠点機能
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災害時の避難場所など、これまで学校が担ってきた防災機能を確保することが条件とされています。
- 投票所機能
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選挙時の投票所としての機能についても確保する方向で検討されています。
令和7年に公表された資料では、跡地を単純に売却するのではなく、民間事業者への土地・建物の貸し付けなども含め、こうした地域機能を残す方向で検討されています。淀川区内のほかの避難所については、以前淀川区の避難所はどこ?という記事で施設名と所在地を一覧にまとめているので、あわせて確認してもらえたらと思います。
跡地の具体的な使い方はまだ決まっていない
ここは、決定済みと検討中を分けて考える必要があります。
西中島小学校と木川南小学校を木川小学校の校地へ統合する大枠は決定していますが、西中島小学校・木川南小学校の跡地を最終的に何に使うのかは、まだ具体的な事業者や用途まで決まっているわけではありません。
今後は民間事業者から意見や提案を聞くマーケットサウンディングなどを経て、活用方法を詰めていく予定です。
説明会や資料は公式サイトで確認できる
淀川区公式サイトには、今回の学校再編についてかなり多くの一次資料が公開されています。
- 住民説明会の配付資料
- 住民から寄せられた質問・意見と区役所の回答
- 学校再編整備計画
- 学校適正配置検討会議の資料・会議要旨
- 通学路や学校施設整備に関する資料
- 統合後の校地活用に関する資料
学校再編についての問い合わせ先は、淀川区役所 保健福祉課(こども教育)教育支援です。電話番号は06-6308-9414です。

昔の十三小の統廃合案まで公式資料に残っているのは、地域の経緯を知るうえでもありがたいですね
昔の統廃合案だけで判断しない
学校再編について検索すると、何年も前の資料が出てくることがあります。十三小学校のABC案は、その典型です。
2013年の資料だけを見ると「十三小学校が廃校になる」と読めますが、その案は2020年に白紙撤回され、現在の再編計画では十三小学校は対象になっていません。
学校再編については、資料が「いつ作られたものなのか」を必ず確認することが大切です。
決定したことと検討中のことを分けて見る
現在の再編についても、「学校再編整備計画が議決された」ことと、「すべてが決定した」ことは同じではありません。
西中島小学校・木川南小学校を木川小学校の校地に統合する大枠は決まっています。一方で、学校名や校章、校歌、標準服、跡地の具体的な利用方法など、協議が続いている項目もあります。
この二つを混同しないことが、学校再編の情報を見るうえでは大事なポイントです。
地域にとって学校がなくなるということ
わたしは十三小学校が統廃合案の対象になった時期を地域側で経験しました。その経験があるので、今回の西中島小学校や木川南小学校の地域で不安を感じている方の気持ちは、少し分かるつもりです。
学校再編には、子どもたちの教育環境を整えるという大切な目的があります。その一方で、長年そこにあった学校がなくなることは、地域にとって決して小さな出来事ではありません。
だからこそ、「統合に賛成か反対か」だけではなく、子どもたちの通学や教育環境はどうなるのか、防災拠点はどう残すのか、地域のつながりをどう引き継ぐのかまで見ていく必要があると感じています。
学校のことに限らず、淀川区のくらしにまつわる話題はヨドガワウォッチでも随時取り上げていますので、よければあわせてのぞいてみてください。
気になったらまず最新の公式資料を
学校再編が気になったら、まず淀川区公式サイトの「学校配置の適正化について」を確認してください。
特に、「昔検討された案」「現在決まっていること」「これから検討すること」の3つを分けて読むだけでも、情報はずいぶん整理しやすくなります。
十三小学校が統廃合案の当事者だった頃から見てきた者としても、学校をめぐる状況は時間とともに変わることを実感しています。噂だけで判断せず、その時点の一次資料を確認しながら、地域のこれからを見ていきたいと思います。













