NTM症と言われて不安な方へ|うつる?ずっと薬を飲むの?落ち着いて確かめる順番
NTM症という言葉を初めて見て検索してみたものの、病気の説明、検査、薬、長い治療期間まで一度に出てきて、かえって分からなくなった。そんな方もいるのではないでしょうか。
『ヨドガワウォッチ』で淀川区の地域情報を書いている、浜崎鍼灸整骨院院長の浜崎洋です。医療の言葉を調べるとき、わたしはまず厚生労働省や学会などの公式情報から確認するようにしています。
この記事では、NTM症とはどのような病気なのか、症状や検査、治療について分かっている基本情報と、淀川区周辺で医療機関や相談先を探す方法を整理します。
診断や治療は一人ひとり異なります。この記事だけで判断せず、気になる症状や検査結果がある場合は医療機関で相談してください。
NTM症とはどのような病気?
NTM症の正式な名称は、非結核性抗酸菌症です。
厚生労働省の「非結核性抗酸菌症(NTM症)」のページによると、土や水などの環境中に広く存在する「非結核性抗酸菌(NTM)」によって起こる感染症で、肺に感染するケースが最も多く、次いで皮膚とされています。
- NTM
-
Non-Tuberculous Mycobacteria(非結核性抗酸菌)の略。土や水など身近な環境中にも存在する菌の仲間。
- NTM症
-
非結核性抗酸菌によって起こる感染症。肺に起こるものを肺NTM症と呼ぶ。
NTMには多くの種類があり、日本では患者数が増加傾向にあると厚生労働省は説明しています。
名前に「抗酸菌」とあり、結核と似た言葉が出てくるため難しく感じますが、まずは「環境中にいるNTMという菌によって起こる病気」と覚えておくと整理しやすいと思います。
肺NTM症とは?NTMとの違い
検索していると「NTM」「NTM症」「肺NTM症」「肺MAC症」という似た言葉が出てきます。
簡単に整理すると、NTMは菌の仲間の名前で、その菌によって病気が起きたものがNTM症です。肺に病変が起きたものを肺NTM症と呼びます。
肺NTM症の中でも、日本でよくみられるのがMAC(マック)菌による肺MAC症です。
- NTM:非結核性抗酸菌という菌の仲間
- NTM症:NTMによって起こる感染症
- 肺NTM症:NTM症のうち肺に起こるもの
- 肺MAC症:肺NTM症の中でMAC菌が原因となるもの
細かい菌の名前を最初から全部覚える必要はありません。診断された方は、医師から伝えられた菌の名前だけメモしておくと、その後の説明を理解しやすくなります。
NTM症ではどんな症状が出る?
厚生労働省では、肺NTM症の代表的な症状として、次のようなものを挙げています。
- 長引く咳
- 痰
- 発熱
- 息苦しさ
一方で、初期には症状がない場合もあります。
日本呼吸器学会の「肺非結核性抗酸菌症」のページも、症状がなく健康診断などの胸部X線検査をきっかけに見つかることがあると説明しています。
咳や痰はNTM症だけに出る症状ではありません。そのため、症状の並びだけを見て「NTM症だ」と判断することはできません。
咳や痰が長く続いている、健診の胸部X線で異常を指摘されたなどの場合は、自己判断せず医療機関で相談するのが基本です。
健診の対象年齢や受診券については、淀川区の特定健診の対象年齢と受診券が届く時期にまとめています。
NTM症ではどんな検査をする?
NTM症について調べていると、「CT」「喀痰検査」「培養」といった聞き慣れない言葉が一気に出てきます。
肺NTM症の診断では、肺の状態を見る画像検査と、実際に菌を調べる検査の両方が重要です。
- 胸部X線検査:胸の状態を画像で確認する
- 胸部CT検査:肺をより詳しい画像で確認する
- 喀痰検査:痰を採取して菌を調べる
- 培養検査:痰などの検体から菌を培養し、NTMがいるかを調べる
NTMは環境中にも存在するため、一度菌が検出されたというだけで、ただちに肺NTM症と診断されるわけではありません。
日本結核・非結核性抗酸菌症学会と日本呼吸器学会の診断基準(2024年改訂版)では、CTなどで確認される肺の状態に加えて、異なる時期に採取した痰から複数回同じ菌が検出されることなど、細菌学的な条件も確認します。
「CTで影がある」「痰から菌が出た」という一つの情報だけで判断する病気ではない、というところは知っておくとよいと思います。
NTM症はすぐ治療するとは限らない
NTM症について検索すると、長期間薬を飲むという情報が出てきます。
ただし、肺NTM症と診断されたすべての人が、すぐに薬による治療を始めるわけではありません。
厚生労働省では、病状によって経過観察する場合もあり、治療する場合は複数の抗菌薬を使用するとしています。
治療を開始するかどうか、どの薬を使うかは、菌の種類や症状、CTなどの画像の変化、全身状態などを見ながら医師が判断します。
「治療は1年以上」と書かれているのはなぜ?
NTM症を調べていて驚きやすいのが、治療期間の長さだと思います。
日本呼吸器学会では、肺NTM症の中でも代表的な肺MAC症について、薬物治療を行う場合、少なくとも1年半程度、目安として菌が培養されなくなってから1年間治療を続ける必要があると説明しています。
ただし、これはすべてのNTM症に一律に当てはまる期間ではありません。
菌の種類や病状によって治療内容や期間は異なるため、「NTM症なら必ずこの期間」と考えず、自分の場合については主治医に聞いてみてください。
NTM症は人にうつる?結核との違い
NTM症という名前を見て、「結核と同じように家族や周囲の人にうつるのでは」と心配になる方もいると思います。
厚生労働省では、NTMは一般的に人から人へは伝播しないと説明しています。
結核菌もNTMも「抗酸菌」という菌のグループに入りますが、同じ病気ではありません。
「抗酸菌=すべて結核」というわけではありません。
NTMは土や水などの環境中に存在し、そこから体内に取り込まれると考えられています。
「家族と食事をして大丈夫なのか」「同じ家で生活していいのか」といった不安がある場合も、インターネットの体験談だけで判断せず、診断した医師に確認するのがいちばん確実です。
NTM症はゆっくり進むこともある
厚生労働省では、NTM症は初期には無症状で経過が緩やかな場合や、良くなったり悪くなったりを繰り返す場合があり、進み方や症状には個人差があると説明しています。
日本呼吸器学会も、肺NTM症は数年から10年以上かけてゆっくり進行することがあるとしています。
そのため、インターネットで「何年治療した」「薬を飲まずに経過を見ている」といった体験談を読んでも、そのまま自分に当てはめることはできません。

体験談はその人の経過。自分の判断は検査結果と医師の説明をもとに。
ネットでNTM症を調べるときの注意点
NTM症は長く経過を見ることもある病気なので、ご本人やご家族が書いた体験談もたくさん見つかります。
体験談を読むことで「同じように不安だった人がいる」と気持ちが楽になることはあります。ただ、医学的な判断材料とは分けて読むことが大切です。
病気について確認するときは、まず次のような情報源を見ると整理しやすくなります。
- 厚生労働省
- 日本呼吸器学会などの専門学会
- 大学病院や専門医療機関
- 大阪府・大阪市など自治体の公式情報
医療機関のホームページを見る場合は、ページの作成日や更新日も確認しておくとよいと思います。
淀川区でNTM症を相談できる医療機関を探すには
「NTM症について一度診てもらいたい」「健診で肺の影を指摘された」「どこの病院を探せばいいのか分からない」という場合は、まず呼吸器内科を目安に医療機関を探す方法があります。
大阪府では、厚生労働省の医療情報ネット(ナビイ)を利用して医療機関を検索できます。
厚生労働省と都道府県が運営する医療機関検索サービスです。
地域を大阪市淀川区などに設定し、診療科目から医療機関を絞ります。
呼吸器疾患の診療内容、紹介状が必要かどうか、予約方法などを確認します。
NTM症について相談したいことを伝え、受診方法や必要なものを確認してから向かうと安心です。
すでに別の医療機関で胸部X線やCT、痰の検査などを受けている場合は、その結果や紹介状についても確認しておくと話が進みやすくなります。
淀川区役所には健康相談の窓口もある
どこに相談したらいいのか分からない場合などには、淀川区役所の保健福祉課にも健康相談の窓口があります。
| 窓口 | 内容 | 電話 |
|---|---|---|
| 21番 健康相談 | 保健師による健康相談など | 06-6308-9968 |
| 22番 健康づくり | 感染症などに関する業務 | 06-6308-9882 |
場所は、淀川区役所2階・保健福祉課(大阪市淀川区十三東2丁目3番3号)です。
ただし、NTM症の診断や治療を行う窓口ではありません。病気そのものについて診察を受けたい場合は、呼吸器内科などの医療機関を探すことが基本です。
区役所に行く前に、淀川区役所の開庁時間・混雑・手続きまとめも見ておくと安心です。
📖 あわせて読みたい:淀川区の無料相談10窓口の使い分けガイド
NTM症の情報はどこで確認すればいい?
| 知りたいこと | 確認先 |
|---|---|
| NTM症の基本 | 厚生労働省「非結核性抗酸菌症(NTM症)」 |
| 肺NTM症の症状・検査・治療 | 日本呼吸器学会「肺非結核性抗酸菌症」 |
| 医療機関を探す | 医療情報ネット(ナビイ) |
| 淀川区の健康相談 | 淀川区役所 保健福祉課 |
検索結果の上から順番に読むよりも、最初に公的機関や専門学会の情報を一つ確認してから、分からない言葉を調べるほうが迷いにくいと思います。
受診するときにメモしておくと便利なこと
病院で聞こうと思っていたことが、診察室に入ると出てこないことがあります。
そんなときは、スマートフォンでも紙でもよいので、次のようなことを簡単に残しておくと便利です。
- いつから症状があるか
- 咳や痰、発熱など気になる症状
- 健診や検査で言われたこと
- これまで受けた胸部X線やCTなどの検査
- 現在飲んでいる薬
- 医師に聞きたいこと
難しい医学用語を理解してから受診する必要はありません。「この言葉が分からない」と、そのまま書いて持っていけば十分です。
当日の持ち物は、マイナ保険証で受診するときの持ち物と資格確認書との違いで確認できます。
暮らしの手続きや相談窓口を調べるときは、淀川区の地域情報を集めたヨドガワウォッチのトップページも使ってみてください。
NTM症について迷っている方へ
NTM症という聞き慣れない病名を目にすると、「治るのだろうか」「家族にうつらないだろうか」「何年も薬を飲むのだろうか」と、検索するほど心配になることがあります。
ただ、肺NTM症は症状の出方も進み方も治療の必要性も、人によって違います。
まずは「自分の場合はどうなのか」を、医療機関で確かめてみてください。
わたしなら、最初に厚生労働省のNTM症のページを一度読み、分からない言葉を二つか三つだけメモします。そのうえで、必要なら呼吸器内科を探します。
全部を一度に理解しなくても大丈夫です。病名を知る、分からないことを書いておく、医療機関で確認する。まずはそこまでで十分だと思います。













