「いのちのヘルメット」に学ぶ、大人が自転車で頭を守る理由
近所への買い物や子どもの送り迎えで自転車に乗るとき、「大人もヘルメットをかぶったほうがいいのかな」と迷う方も多いのではないでしょうか。
街を見渡すと、子どもはかぶっていても、大人の着用姿はまだそれほど多くありません。
地域情報メディア『ヨドガワウォッチ』のエリア担当ライターで、浜崎鍼灸整骨院の院長を務める浜崎洋です。整骨院の仕事や地域活動を通して、日々の暮らしの中にある安全について考える機会があります。
今回は、淀川警察署が制作したオリジナルソング「いのちのヘルメット」をきっかけに、自転車ヘルメットの現在のルール、大阪の着用状況、安全なヘルメットを選ぶポイントまで順番に整理します。
淀川署が「いのちのヘルメット」を制作
大阪府警淀川警察署では、自転車ヘルメットの着用を呼びかけるオリジナルソング「いのちのヘルメット」を制作しています。
署員が作詞・作曲し、ダンスも考案。子どもたちにも親しみやすい歌と振り付けを通して、ヘルメットの大切さを伝える取り組みです。
2026年7月には、大阪府警本部のフォトニュースでも紹介されているとおり、淀川区内の認定こども園で交通安全イベントが開かれ、園児たちが歌やダンスを披露しました。
「ヘルメットをかぶりましょう」と呼びかけるだけではなく、歌を通じて子どもや家族に伝えるところが、この取り組みの特徴です。
自転車ヘルメットは大人も努力義務
2023年4月1日から、道路交通法により、年齢を問わずすべての自転車利用者について乗車用ヘルメットの着用が努力義務となっています。
つまり、子どもだけではなく、自転車を運転する大人も対象です。
近所への買い物、通勤、通学、子どもの送り迎えなど、移動する距離や目的にかかわらず、自転車に乗る場面でヘルメットを着用するよう努めることが求められています。

現在は、ヘルメットをかぶっていないこと自体に罰則はありません。ただし「罰則がない=必要ない」という意味ではありません。
大阪府の着用率は7.2%
警察庁が2025年6月に公表した着用率調査結果では、大阪府の自転車ヘルメット着用率は7.2%でした。
全国平均は21.2%で、大阪府は47都道府県の中で最も低い数字となっています。
街を歩いていて、「大人でヘルメットをかぶっている人はまだ少ない」と感じる背景には、こうした数字もあります。
ただ、周りでかぶっている人が少ないからといって、ヘルメットの必要性が低いわけではありません。
自転車事故では頭部を守ることが重要
警察庁「頭部の保護が重要です」のページによると、自転車乗用中の交通事故で亡くなった方の約5割が、頭部に致命傷を負っています。
さらに、頭部を負傷した死者・重傷者では、ヘルメットを着用していなかった人の割合が、着用していた人と比べて約1.7倍高くなっています。
自転車は気軽な乗り物ですが、転倒したときには体が地面へ直接投げ出されることがあります。
特に頭部は、一度大きな衝撃を受けると重大な結果につながる可能性があります。そのため、ヘルメットは事故そのものを防ぐ道具というより、事故が起きたときに頭を守るための備えと考えると分かりやすいでしょう。
近所への買い物や送り迎えも対象
「駅まで数分だから」「スーパーまで近いから」と、短い距離ではヘルメットを省きたくなることもあります。
しかし、道路交通法上の努力義務は、走行距離によって変わるものではありません。
- 通勤・通学
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毎日の駅や職場、学校までの移動も対象です。
- 近所への買い物
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スーパーや商店街など、短距離の移動でも着用するよう努めることが求められています。
- 子どもの送り迎え
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同乗する子どもにヘルメットを着用させるとともに、運転する大人自身も着用することが望まれます。
大人がかぶることは子どもの習慣にもつながる
子どもには「危ないからヘルメットをかぶりなさい」と言いながら、親はかぶらずに自転車に乗っている、という場面も珍しくありません。
ですが、子どもは大人の行動をよく見ています。
大人が普段から自然にヘルメットを着用する姿を見せることは、子どもにとって「自転車に乗るならヘルメットをかぶる」という習慣を身につけるきっかけにもなります。
家族全員で安全を考えるという意味でも、大人の着用には大きな意味があります。
ヘルメットは安全性を示すマークを確認
自転車用ヘルメットを選ぶときは、デザインや価格だけでなく、安全性も確認しておきたいところです。
警察庁も、SGマークなど安全性を示す規格・認証マークが付いたヘルメットを使用するよう呼びかけています。
- SGマーク
- JCF公認・推奨マーク
- 自転車用ヘルメットとして海外の安全規格に適合した製品
海外製品では「CE」と表示されているものもありますが、CEマークだけで判断せず、自転車用ヘルメットとしてどの安全規格に適合しているのかまで確認すると安心です。
失敗しにくいヘルメットの選び方
安全性の高いヘルメットでも、頭に合わず、かぶらなくなってしまっては意味がありません。
毎日の生活で無理なく使えるものを選ぶため、次の順番で確認するのがおすすめです。
メーカーごとにサイズ感が違うため、まずは頭囲を測り、適正サイズを確認します。
頭の形との相性や重さ、締め付け感などは、実際にかぶってみないと分からない部分があります。
ヘルメットが前後左右に大きくずれないよう、あごひもを適切に調整して使用します。
最近はスポーツタイプだけでなく、普段着に合わせやすい帽子型など、街中でも使いやすいデザインが増えています。
なお、淀川区にお住まいの方は、条件を満たすと自転車用ヘルメットの購入費用について補助を受けられる場合があります。対象条件や申請の流れは、淀川区の自転車ヘルメット補助金についてまとめた記事で詳しく紹介していますので、購入前に確認しておくと安心です。
淀川署「いのちのヘルメット」の動画はこちら
淀川警察署が制作した「いのちのヘルメット」は、下の動画で見ることができます。
子どもにも分かりやすい歌とダンスになっているので、家族で交通安全について話すきっかけとして見てみるのもよいでしょう。動画の詳細は、大阪府淀川警察署公式サイトでも確認できます。
自転車の交通ルールやヘルメットに関する最新情報については、警察庁や大阪府警察などの公式情報もあわせて確認してください。
淀川区でのくらしにまつわる話題は、ヨドガワウォッチのトップページでも幅広く発信していますので、あわせてご覧ください。
まずは自分に合うヘルメットを見てみよう
ヘルメットをかぶったほうがよいと分かっていても、「ちょっと大げさかな」「周りがかぶっていないから恥ずかしい」と感じることはあると思います。
ただ、大阪府では自転車ヘルメットの着用率がまだ低い一方、自転車事故では頭部を守ることがとても重要です。
いきなり購入を決めなくても構いません。まずは近くの自転車店や売り場で、どんなヘルメットがあるのか実際に見て、かぶってみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
自分自身はもちろん、大切な家族が毎日無事に帰ってくるために。淀川署の「いのちのヘルメット」をきっかけに、普段の自転車の乗り方を一度見直してみるのもよさそうです。













