個人情報が漏えいしたとき、まず何を確認すればいいですか?
「あなたの個人情報が漏えいした可能性があります」
そんなメールが届いたら、まず何をすればいいのでしょう。パスワードを変えるべきなのか、運転免許証は大丈夫なのか。今は使っていないサービスでも、気になるところです。
『ヨドガワウォッチ』エリア担当ライター、浜崎鍼灸整骨院院長の浜崎 洋です。わたし自身も、利用していたサービスから情報漏えいの対象者メールを受け取った経験があります。
そこで今回は、特定の企業の事故に限らず、個人情報が漏えいしたときに、何を確認し、どう対応すればよいのかを、公式情報をもとに整理しました。
まず確認したいのは「何の情報が漏れたのか」
個人情報の漏えいと聞くと、すぐに何か被害が起きるのではと不安になるかもしれません。ただ、情報が第三者に渡ったことと、その情報が実際に悪用されたことは、別の話です。
最初に確認したいのは、漏えいした件数の大きさよりも、自分のどの情報が対象になっているのかという点です。
| 漏えいした情報 | 最初に確認したいこと |
|---|---|
| 氏名・住所・電話番号 | 不審な連絡や郵便物 |
| メールアドレス | 偽メール・不審なログイン通知 |
| パスワード | 変更と使い回しの有無 |
| 運転免許証などの画像 | 本人申告制度の利用 |
| クレジットカード情報 | 利用明細とカード会社への連絡 |
すべての情報が漏れたとは限りません。企業の発表では、対象者によって漏えいした項目が異なることもあります。まずは公式サイトの発表や個別案内で、対象となった情報を確認しましょう。
漏えいのお知らせメールは、そのまま信用しない
企業から「情報が漏えいしました」と連絡が届けば、早く対応しなければと焦るものです。
ただ、情報漏えいのニュースに便乗して、企業を装った偽メールやSMSが送られてくる可能性もあります。実在する企業名が書かれていても、自分の名前が記載されていても、それだけで本物とは判断できません。
メールが届いたときの確認方法
- メール内のリンクから急いでログインしない
- ブックマークや公式アプリから公式情報を確認する
- パスワードや認証コードをメールの返信で伝えない
- 問い合わせ先は公式サイトに掲載された窓口を使う
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)も、偽サイトに誘導してIDやパスワードを盗むフィッシングの手口について、不正ログイン被害に関するIPAの注意喚起で呼びかけています。
急いでいるときほど、メールのリンクから離れて、いつもの公式サイトを開く。このひと手間が大切です。
メールアドレスや電話番号が漏れた場合
メールアドレスや電話番号が漏れたからといって、それだけですぐアカウントを乗っ取られるわけではありません。ただ、氏名などと組み合わされると、本人宛てに見える不審な連絡が届く可能性があります。
たとえば、利用した覚えのある通販サイトや配送会社、金融機関を名乗るメッセージです。「本人確認が必要です」「アカウントを停止します」といった言葉で急がせる連絡には、特に注意したいところです。
この段階で、メールアドレスや電話番号を必ず変えなければならないわけではありません。まずは不審な連絡への警戒と、アカウントのログイン状況の確認を優先しましょう。
パスワードが漏れた場合は使い回しを確認する
パスワードの場合は、漏えいした情報に含まれるかどうかに加えて、どんな形式で保管されていたのかも重要です。元の文字列が読み取れる状態で漏れたのか、元に戻しにくい形式で保管されていたのかで、危険性の評価は変わってきます。
ただし、後者であっても、すべての危険がなくなるとは限りません。企業の説明を確認したうえで判断する必要があります。
同じパスワードを使っているサービスはないか
特に見直したいのが、パスワードの使い回しです。
一つのサービスで知られたIDとパスワードが、別のサービスへの不正ログインに使われることがあります。これは「リスト型攻撃」と呼ばれる手口です。
パスワードの漏えいが確認された場合は、対象サービスのパスワードを公式サイトから変更し、同じものを使っている他のサービスも変更しましょう。まだ漏えいが確認されていなくても、使い回しがあるなら、この機会に解消しておくことをおすすめします。
多要素認証も設定しておく
多要素認証は、パスワードに加えて、スマートフォンなど別の要素でも本人確認をする仕組みです。仮にパスワードを知られても、不正ログインを防ぐための追加の対策になります。サービスが対応していれば、パスキーを使う方法もあります。
多要素認証については、IPAの不正ログイン対策特集ページでも説明されています。あわせて確認してみてください。
運転免許証や本人確認書類の画像が漏れた場合
運転免許証やマイナンバーカードなど、本人確認書類の画像が漏えいした場合は、少し対応が変わってきます。こうした画像には、氏名や住所、生年月日、顔写真など、本人確認に使われる情報が含まれているからです。
第三者がそれらの情報を悪用して、本人になりすまして契約を申し込む危険性も考えられます。ただし、画像が漏れたからといって、必ず不正契約が成立するわけではありません。
まずは漏えいした企業に、自分の本人確認書類の画像が対象になっているかを確認しましょう。
CICの本人申告制度
CIC(株式会社シー・アイ・シー)は、クレジットカードやローンなどの信用情報を扱う機関です。
本人確認書類を紛失したり、情報が第三者に渡ったりした場合に使えるのが、CICの「本人申告」制度です。本人申告情報を登録すると、CICの加盟会社などが信用情報を確認するときに、注意喚起となる情報を参考にできる仕組みになっています。
本人確認書類の画像が流出した場合についても、CICは本人申告の手続きを案内しています。具体的な流れは、CICの「本人確認書類の画像が流出した場合、どうすればよいですか?」のページで確認できます。
JICCの「名義の悪用防止」
JICC(日本信用情報機構)にも、JICCの不正利用防止の届け出という、本人申告の制度があります。
JICCでは、運転免許証の現物が手元にあっても、画像などの情報が流出した場合に使える「名義の悪用防止」という申告区分が用意されています。つまり、免許証そのものをなくしていない場合でも、画像の流出について相談できる仕組みです。
本人申告制度についての注意点
CICやJICCに情報を登録しても、不正契約を必ず防げるわけではありません。また、一つの信用情報機関への登録だけで、すべての金融機関を網羅できるとは限りません。
申告条件、手数料、登録期間、手続き方法はそれぞれの公式サイトで確認してください。
なお、本人確認書類の画像が漏れた場合でも、直ちに免許証の再交付などが必要と決まるわけではありません。書類の種類や流出した情報、実際の被害状況に応じて、発行元や関係機関の案内を確認しましょう。
実物を紛失して再交付が必要になったときの窓口や持ち物は、淀川区で運転免許証をなくしたときの再交付の窓口・持ち物と、淀川区のマイナンバーカード再交付ガイド(窓口・手数料・期間)にまとめています。
クレジットカード情報が漏れた場合
漏えいした情報にクレジットカード番号や有効期限などが含まれている場合は、カード会社の公式窓口に連絡して、対応を確認しましょう。利用明細に身に覚えのない支払いがないかも、あわせて見ておいてください。
不正利用が疑われるときは、カードの利用停止や再発行が必要になることもあります。その際は、カード会社の指示に従って対応しましょう。
なお、情報漏えいのニュースがあっても、すべての事故でクレジットカード情報まで漏れているとは限りません。発表された対象項目を確認しないまま、すべてのカードを一斉に再発行する必要はありません。
身に覚えのない請求や契約が見つかったら
情報漏えいが確認されたあとに、不審な請求や契約の通知が届くこともあるかもしれません。ただ、請求が届いたからといって、過去の情報漏えいが原因だと決まったわけではありません。
原因を自分だけで調べきろうとせず、まずは請求先や契約先の正規窓口に確認しましょう。メールやSMSに書かれた連絡先ではなく、公式サイトやカード裏面などで確認した窓口を使うことが大切です。
また、請求書、メール、利用明細、画面のスクリーンショットなどは、相談するときに役立つことがあります。削除せずに、保存しておきましょう。
困ったときの相談先
情報漏えいに関連する不審な請求や契約、詐欺の疑いなどで困ったときには、内容に応じて相談できる窓口があります。
| 相談内容 | 相談先 |
|---|---|
| 身に覚えのないカード利用 | カード会社の公式窓口 |
| 契約・請求トラブル | 消費者ホットライン188 |
| 詐欺やなりすましの疑い | 警察相談専用電話 #9110 |
| 本人確認書類画像の悪用防止 | CIC・JICC |
| 不正ログインなど技術的な相談 | IPA情報セキュリティ安心相談窓口 |
どこに相談すればいいか迷うときは、淀川区の無料相談10窓口の使い分けガイドも参考にしてください。
消費者ホットライン188
消費者ホットライン188は、身近な消費生活センターなどの相談窓口につないでくれる全国共通の電話番号です。契約や不審な請求について、どこに相談すればよいか分からないときに使えます。相談は無料ですが、通話料がかかる場合があります。
利用のしかたや通話料の目安は、消費者庁の消費者ホットライン188のページに載っています。
大阪府警察の相談窓口
大阪府内で、個人情報の悪用や詐欺、不審な連絡など、犯罪に関わる心配があるときは、警察への相談も選択肢です。緊急ではない相談には、警察相談専用電話「#9110」が使えます。
大阪府警察の警察相談室は「06-6941-0030」でも案内されています。緊急の事件や事故の場合は110番です。
退会したサービスでも情報が残っている場合がある
「もう何年も使っていないから、自分には関係ない」
そう思っていたサービスから、情報漏えいの連絡が届くこともあります。サービスを退会していても、契約や法令、事業者の保管方針などによって、個人情報が一定期間保存されている場合があるからです。
ただ、退会者の情報がすべての企業で同じ期間保存されるわけではありません。過去に登録したサービスから漏えいの発表があったときは、現在の会員だけでなく、退会者や申込途中の人が対象に含まれるかも確認しましょう。
実際に退会者なども対象になった事例として、タイムズカーの情報漏えいがあります。わたし自身に届いた対象者メールや、公式発表の内容については、タイムズカー情報漏えいで私にも届いた対象者メールと、今確認したいことで詳しく紹介しています。
情報漏えいが分かったときの確認手順
ここまでの内容を、実際の確認順にまとめました。
- 公式サイトで発表を確認する
届いたメールのリンクではなく、公式サイトや公式アプリから確認します。 - 自分の漏えい項目を確認する
メールアドレス、パスワード、本人確認書類画像など、対象になった情報を確認します。 - 必要な対策を取る
パスワードの変更、利用明細の確認、本人申告制度の検討など、情報の種類に応じて対応します。 - 不審な連絡に注意する
認証コードや追加の個人情報を求められても、その場で伝えず公式窓口へ確認します。 - 続報を確認する
調査途中の発表は、その後に漏えい項目や対象者が追加・変更される場合があります。
一度にすべてを終わらせる必要はありません。自分に関係する項目から、一つずつ確認していきましょう。
よくある質問
Q. 個人情報が漏えいしたら、必ずパスワードを変えるべきですか?
パスワードの漏えいが確認された場合や、不正ログインの疑いがある場合は、公式サイトから変更してください。パスワードが漏れていない場合でも、複数サービスで使い回しているなら見直すことをおすすめします。
Q. 運転免許証の画像が漏れたら、免許証を再発行すべきですか?
画像が漏えいしただけで、必ず再交付が必要になるわけではありません。まずは運営会社に流出状況を確認し、必要に応じてCICやJICCの本人申告制度、免許証の発行元への相談を検討してください。
Q. 退会したサービスからも漏えいの連絡が来ることはありますか?
あります。退会後も一定期間、個人情報が保存されている場合があるためです。ただし、保存する情報や期間は企業によって異なります。発表された対象者の範囲を確認しましょう。
Q. 情報が漏れたら、必ず金銭被害が起きますか?
いいえ。情報の漏えいと実際の不正利用は別です。漏えいした情報の種類や悪用状況によって危険性は異なります。必要な対策を取りながら、不審な請求や連絡がないか確認しましょう。
手続きやお店、防災のことなど、淀川区の地域情報をまとめたヨドガワウォッチのトップページも、あわせてのぞいてみてください。
情報を守る責任は利用者だけにあるわけではない
個人情報の漏えいが起きるたびに、パスワードを変える、不審なメールに気をつける、といった対策が呼びかけられます。もちろん、自分でできる対策は大切です。
ただ、企業のシステムへの不正アクセスや、預かった情報の保管方法まで、利用者が管理できるわけではありません。
わたしは整骨院の仕事や地域活動を通じて、人から預かった情報を大切に扱う責任を感じています。だからこそ、情報を預かる企業にも、何が起きたのか、どこまで影響があるのか、再発を防ぐために何を変えるのかを、分かりやすく説明してほしいと思います。
情報が漏れたと聞けば、誰でも気持ちが落ち着かなくなるものです。それでも、何もかも危険だと思う必要はありません。
まずは自分に関係する情報を確認する。そして、必要な対策を一つずつ取っていく。
その順番を知っているだけでも、不安なときの判断が少ししやすくなるのではないでしょうか。
参考にした公式情報
- IPA|不正ログイン対策特集ページ
- IPA|インターネットサービスへの不正ログインによる被害が増加中
- IPA|情報セキュリティに関する技術的なご相談
- CIC|本人申告とは
- CIC|本人確認書類の画像が流出した場合、どうすればよいですか?
- JICC|不正利用防止の届け出
- 消費者庁|消費者ホットライン
- 大阪府警察|警察相談室
※この記事は2026年10月17日時点の公表情報をもとに作成しています。手続きの条件や受付方法、費用などは変更される場合があります。申し込み前に各機関の最新の公式案内をご確認ください。












