千葉の堤防決壊で気になった、淀川区の自宅は大丈夫?地図で確かめてみた
千葉で堤防が決壊したというニュースを見て、「淀川の近くに住んでるけど、うちは大丈夫なんやろか」と、ふと気になった方もおられるのではないでしょうか。
『ヨドガワウォッチ』で淀川区の地域情報を書いている、浜崎鍼灸整骨院院長の浜崎 洋です。十三で仕事をしながら、三国や西中島など、淀川の近くもふだんからよく歩いています。
先にお伝えしておくと、この記事は「淀川が決壊する」と予測するものではありません。
千葉で実際に起きた水害をきっかけに、もしものとき淀川区ではどんな浸水が想定されているのか、自宅のまわりをどう確認すればいいのかを、大阪市と国土交通省が公表している資料から整理しました。
先に結論
- 淀川区では、淀川の氾濫だけでなく内水氾濫も想定されています
- 淀川氾濫の想定では、浸水深が5メートル以上10メートル未満となる区域もあります
- ただし浸水の深さは場所によって違うため、「淀川区だから何メートル」と一括りにはできません
- まず自宅や職場の場所を大阪市の水害ハザードマップで確認することが大切です
千葉・印旛沼では実際に堤防が決壊した
2026年9月22日、台風25号による豪雨で、千葉県が管理する北印旛沼の堤防が約100メートルにわたって決壊しました。
千葉県の「北印旛沼の堤防決壊について」によると、北印旛沼に流れ込む農業排水路「角川」の堤防の一部でも決壊が起きています。その後、国土交通省は長門川でも新たに堤防の決壊が確認されたとして、復旧支援を発表しました。
北印旛沼では9月22日午前4時30分ごろ、1968年に管理を始めて以降で最も高い5.04メートルの水位が観測されています。
国や千葉県、水資源機構などが排水と復旧作業を進めていて、9月28日には決壊した場所で土砂を使った仮堤防づくりも始まりました。
これを見て、「治水対策をかなり進めてきた淀川でも、ほんまに大丈夫なんやろか」と思った方もいると思います。
では、淀川区では何が想定されているのか
そこで確認したのが、大阪市が公表している「水害ハザードマップ(淀川区)」です。
大阪市のページは2026年8月2日付で更新されています。ただ、ここは少し注意してほしいところです。
ハザードマップのページの更新日と、浸水想定が公表された時期は、同じではありません。
| 想定する水害 | 浸水想定の公表時期 |
|---|---|
| 淀川の氾濫 | 2017年6月 |
| 神崎川の氾濫 | 2023年12月 |
| 天竺川・高川の氾濫 | 2020年1月 |
| 内水氾濫 | 2021年3月 |
ですので、「2026年に淀川の浸水想定が新しく作り直された」ということではありません。
とはいえ、いま大阪市が住民向けに案内している公式の水害ハザードマップとして確認できるものです。
淀川が氾濫すると最大5〜10メートル未満の想定区域も
大阪市の「淀川区における水害ハザードマップ(音声読み上げ版)」では、淀川が氾濫した場合について、24時間総雨量360ミリメートルの「想定最大規模降雨」を前提にしています。
その場合、淀川区では、浸水が想定される区域について0.5メートル未満から、最大5メートル以上10メートル未満までの浸水深が示されています。
ここで誤解してほしくないのは、「淀川区全体が5〜10メートル浸水する」という意味ではない、ということです。
地形や川からの位置などで、想定される深さは変わります。自宅、職場、学校と、それぞれの場所を地図で見てみないと分かりません。
淀川氾濫の想定
- 想定降雨:24時間総雨量360ミリメートル
- 想定最大規模降雨:発生確率は年あたりおおむね1,000分の1程度
- 淀川区の浸水深:0.5メートル未満〜5メートル以上10メートル未満の区域
- 淀川の近くには「家屋倒壊等氾濫想定区域」もあります
「1,000分の1」と聞くと「1,000年に一度しか起こらない雨」と受け取りたくなりますが、そういう意味ではありません。ある年に、その規模以上の雨が降る確率を表したものです。
川が切れなくても「内水氾濫」は起こる
もう一つ、淀川区で見ておきたいのが内水氾濫です。
大雨で下水道の排水能力を超える雨水が出たり、川の水位が上がって雨水を川へ流せなくなったりすると、マンホールや雨水ますなどから水があふれることがあります。
つまり、川の堤防が決壊していなくても、街の中が浸水する可能性があります。
大阪市の内水浸水想定では、24時間総雨量549ミリメートル、1時間最大雨量147ミリメートルという想定最大規模の雨を前提にしています。
| 想定の種類 | 想定する雨 | 淀川区の浸水深 |
|---|---|---|
| 淀川の氾濫 | 24時間360ミリ | 0.5m未満〜5m以上10m未満 |
| 内水氾濫 | 24時間549ミリ | 0.1m以上0.3m未満〜3m以上5m未満 |
とくに地下や、まわりより低くなっている道路、アンダーパスなどは、大雨のときには普段とは違う場所だと考えておいた方がいいと思います。
十三・西中島・三国・東三国も「町名だけ」では判断できない
わたし自身、十三や三国、西中島南方のあたりを通ることが多いので、「十三は何メートルですか」「三国なら大丈夫ですか」と知りたくなります。
ただ、水害については町名だけで大丈夫・危ないと決めない方がいいと思います。
同じ地域でも場所によって浸水想定は変わりますし、河川氾濫と内水氾濫でも地図は違います。
国土交通省の淀川河川事務所では、大阪市淀川区について、十八条、東三国、西三国など細かな地点ごとの淀川の洪水浸水想定区域図(想定最大規模)も公開しています。
「淀川区だから」ではなく、「自分の家の場所はどうなのか」で見る。

毎日通っている道や、自宅から避難先までの道も一緒に見ておきたいです
自宅の住所をハザードマップで調べる
むずかしいことは何もありません。まず大阪市の水害ハザードマップを開いて、自宅や職場の場所を見てみましょう。防災マップや大阪防災アプリの使い方は、淀川区の防災情報整理(避難所・防災マップ・大阪防災アプリ)でもまとめています。
自宅や職場のあたりが何色になっているかを見ます。浸水深だけでなく、淀川沿いの「家屋倒壊等氾濫想定区域」に入っていないかも確認してください。
同じ場所でも、河川氾濫と内水氾濫では想定が違います。両方を見ておきましょう。
自宅だけでなく、避難先とそこまでの道も見ておきます。低い道路やアンダーパスを通らずに行ける道があるかも大事なところです。
避難先は「公的な避難所だけ」ではない
ここも知っておいてほしいところです。
大阪市の水害ハザードマップ(淀川区)では、避難先は公的な避難場所だけに限らず、近くの家族や親戚、知人宅への避難も、ふだんから相談しておくよう案内されています。
また、風雨がすでに激しくなってから外へ出る方が、かえって危ない場合もあります。安全が確保されているなら、自宅にとどまることも避難方法の一つとされています。
大切なのは、「避難所へ行くこと」そのものではなく、危険から離れて命を守れる場所へ移ることです。
ただし、自宅にとどまって安全かどうかは、建物の高さや構造、想定浸水深、家屋倒壊等氾濫想定区域に入っているかどうかなどで変わります。
大雨になってから考えるより、平常時に確認しておく方が、落ち着いて判断できます。
ニュースを見た今こそ、自宅の場所を一度確認しておく
千葉県の堤防決壊と、淀川が同じ条件というわけではありません。川の構造も、治水対策も、降った雨の量も違います。
ですから、今回のニュースだけを見て「次は淀川かもしれない」と不安になる必要はないと思います。それでも気持ちが落ち着かないときは、淀川区で大雨や地震のニュースが怖いと感じたときの、キキクルという選択肢も見てみてください。
一方で、大阪市自身が淀川区について河川氾濫や内水氾濫の浸水想定を公表している以上、知らないままにしておく必要もありません。
今回、確認しておきたい公式情報
- 大阪市「水害ハザードマップ(淀川区)」:自宅周辺の河川氾濫・内水氾濫・高潮などの想定を確認
- 大阪市「淀川区における水害ハザードマップ(音声読み上げ版)」:想定降雨量や浸水深を文章で確認
- 国土交通省 淀川河川事務所「洪水浸水想定区域図」:淀川の想定最大規模の洪水を詳しく確認
- 千葉県「北印旛沼の堤防決壊について」:今回の災害と復旧状況を確認
防災のことだけでなく、十三や三国をはじめとする淀川区の地域情報は、淀川区の地域情報を毎日お届けするヨドガワウォッチのトップページでも見られます。
今日ひとつだけやるなら、自宅を地図で探してみる
防災というと、水や非常食を買ったり、防災用品をそろえたりと、何か大きな準備をしなあかんような気がします。
でも今日は、そこまでしなくてもいいと思います。
大阪市のハザードマップを開いて、自分の家を一度探してみる。
わたしも、自分の住んでいる場所を地図で確認してから、この記事を書きました。
そこから「もし大雨になったら、どこへ行こうか」「この道は通らん方がいいな」と家族で話せれば、それだけでも十分に意味があります。
怖がるための地図ではなく、迷わないための地図として。
今週末にでも、お茶を飲みながら、ご家族と一度開いてみてはいかがでしょうか。













